政財界のさまざまな参加者が〝大きな方向性〟を共有

始まりはアメリカ大統領選で話題の〝あの人〟の話から

 平成28年3月3日、公益社団法人国際経済交流協会の主催により、〝広げよう人間ネットワーク〟『春の異業種交流会』が開催された。政界の方々、そして幅広いジャンルの企業の代表者を中心に、合わせて150名以上の参加者が連なった。
 会の第一部は「一億総活躍社会への実現に向けたプロセス」というテーマで、逢沢一郎 衆議院議員の特別講演が行われた。講演の前には、当協会の米田会長が開会の挨拶に立ち、参加者への謝辞を述べるとともに、国内外の政治的な状況について語った。
 「今アメリカの大統領選挙が面白いですね。トランプ氏は貿易問題について同盟国を批判していますが、私は彼が当選したらすごいことになるだろうと思っています。まだ彼が気付いていないことがあります。安倍内閣で安保法案が成立しましたが、まだわが国の安全保障体制は本質的には変わっていません。
 自国の領域へ敵が押し寄せてきたら必要最小限の防衛力を行使するが、明らかに日本に対する攻撃だと分かっていても、領海外の場合は黙って見ている。代わりにアメリカにやってもらうと。ただ単にやってもらうと悪いから、後方支援をしますという仕組みですね。その後方支援も、さまざまな制約がありましたが、今回の法改正で拡大されました。しかし、アメリカ任せという本質に変わりはありません。
 トランプ氏がこの仕組みに気付いたら、『ふざけるんじゃない、なんでアメリカの青年が先に死ぬんだ』という演説をする可能性もあります。もしかしたら日本人全体が、日本の安保体制のいびつさを知る良いきっかけになるのかもしれません」
 同盟国で起こっている選挙戦に憂慮しつつ、米田会長はこの交流会の目的が、時代の流れや状況をより正確に把握して、参加者それぞれの経済・社会活動に寄与させていただく点にあるという旨を語った。続いて特別講演講師である逢沢一郎 衆議院議員が登壇した。

講演では経営者に向けた熱いメッセージも贈られた

 逢沢代議士も講演の冒頭において世界情勢に触れ、ASEAN、その先は環インド洋諸国の発展を見据えながら、その中で日本がどうポジションを築いていくかを展望する必要があると訴えた。そして話題は、自身が推進本部長を務める〝一億総活躍社会〟へ―。
 「一番のキーワードは持続可能な社会づくりということでしょうね。50年後にも人口1億の大台をキープするという目標を打ち出させていただいた。でも働き手が少なくなり、税金を払う人が少なくなるのに、支えられる側の人間は増えていくという現状があります。社会保障は今まで、年金・医療・介護という3つの柱で説明されてきました。そこにもうひとつ〝子育て支援〟という柱を加えざるを得ない。希望出生率1・8を目指す。加えて、介護のために仕事を辞めなくてはならない人の比率をゼロにもっていく。そんな人口増加、働き手増加のための土俵づくりをしておいて、経済の生産性を上げていこう、イノベーションを生み出していこう、場合によっては思い切った移民政策もとっていこうといった政策総動員で、GDP600兆円を目指します。成長と分配の好循環をしっかりつくり上げるということを通じて、一億総活躍社会を実現する努力を重ねてまいりたいと思っています」
 逢沢代議士の講演はさらに、参加している経営者に語りかけるかのような話題が続いた。
 「会場の中にも、いわゆる〝ものづくり補助金〟をうまく申請して活用している方がいらっしゃるだろうと想定いたしますが、このものづくり補助金、非常に便利な制度設計をさせていだきました。ものづくりといえばイコール製造業になるわけですが、小売り・流通・サービスなどといった方面の方々にも都合よく使っていただける、そういう仕組みに切り替えました。ぜひ経産省のホームページをご覧になって、最寄りの商工会に相談して有効にご活用してください」
 「最近金融庁の人間が『どれだけリスクマネーを供給できるかに、われわれの仕事の中心がシフトしている』と言っています。つまりそれぞれの地域で優秀な経営者や、技術を持った中小企業を資金的に支えていく。本来金融機関はそうあるべきですよね。本当に必要な人の所にお金が届くように、しっかりと政策的にフォローアップしてまいりたいと思います」
 「また、マイナス金利政策の状況下で、ローンの借り換え等もいろんなプログラムが提示されてまいりました。上手にそれを生かしていくということも大切ですね」
 他にもTPPが中小企業にもたらすメリット、選挙制度改革などタイムリーな話題が並び、聴衆は熱を帯びて聞き入っていた。

数々の来賓客と共に

 講演会が終わり、参加者は皆、立食パーティーの席へ。第二部の交流会が来賓の自己紹介から始まった。
 「逢沢先生は10期でありますが、私はまだ新米の2期生です」とフレッシュさを強調した長尾敬 衆議院議員。「政治家だけではなく、民間の大きな力が相まって、わが国をつくっていくと確信しています」と参加者に団結を呼びかけていた。続いて登壇したのは吉田六左エ門 元衆議院議員。
 「人手不足は、ITによって1人で3人分の仕事ができるように補っていくという方向性でやっています」。公益財団法人 日本建設情報技術センターの代表理事として元気に活躍されている姿を見せた。
 ここで当協会鈴木丈真代表理事から乾杯の挨拶と発声があり、しばし参加者の間で歓談の声が弾んだ。その後、来賓としてハンガリー大使館エルドシュ・アッティラ公使参事官、セルビア共和国大使館アナ・コンティッチ参事官が挨拶。さらに小野克典 桶川市長、新井金作 上尾市議会議員、細川英俊 鴻巣市議会議員と、埼玉県の政治家3人から挨拶があり、それぞれ地元をアピールする声が聞かれた。再び歓談が続き、約2時間に及んだ交流会は、当協会 田邉利雄専務理事の挨拶で締めくくられた。
 政財界、さまざまな立場の人々が集まった新春の夜は、和やかでいて活気的なムードのまま幕を閉じた。

(国際経済交流協会事務局)